『南比企窯跡』が国指定史跡へと答申されました
鳩山町に所在する「南比企窯跡」が、令和4(2022)年12月16日(金曜日)の国の文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、国史跡へ指定するように文部科学大臣に答申されました。答申された文化財は、後日行われる官報告示を経て指定されます。
鳩山町での国史跡指定は初となります
文化庁の報道発表(文化審議会の答申(史跡名勝天然記念物の指定等)について)
町長・教育長のコメント
町長・教育長コメント [PDF形式/358.79KB]
指定の概要
○名称
南比企窯跡(みなみひきかまあと)
○所在地
埼玉県比企郡鳩山町大字赤沼字石田1415番1 ほか83筆等
○指定面積
38,168.94平方メートル
○説明
「南比企窯跡」は、古代武蔵国の四大窯跡の1つで、6世紀前半から10世紀中頃にかけて総数500基を越える窯が操業していました。その規模は、東日本最多を誇ります。窯体構造は基本的に地下式窖窯であり、8世紀前半に最大化し、10m以上の規模を有します。南比企窯跡で生産された須恵器や瓦は、7世紀後半から8世紀初頭には、武蔵国府や郡家、地方寺院等で利用されました。また、8世紀中頃の武蔵国分寺創建や補修にあたり瓦が供給され、出土した文字瓦から、武蔵国21郡のうち、16郡の生産に関わったことが判明しています。このように、南比企窯跡は、古代において関東の窯業生産の中心的役割を果たすとともに、国分寺造営における労働力編成の一旦を示す窯跡として重要なものとなっています。今回、「南比企窯跡」のうち鳩山町に所在する石田遺跡、新沼窯跡、天沼遺跡が指定される予定です。
石田遺跡第1次A区1号窯・1号竪穴建物全景(北東から)
新沼窯跡出土須恵器(出土品の見学は多世代活動交流センターまで)
天沼遺跡B区灰原遺物出土状況(南東から)