実質単年度収支
前月号で、現在の町の財政難が夕張市型の借金のしすぎにあるのではないことがわかりました。ではいったい鳩山町の財政難は何に起因するのでしょうか。
「実質単年度収支」という数値があります。鳩山町は、この「実質単年度収支」を簡単に説明するのは大変難しいのですが、誤解を恐れずに、企業に例えていえば、経常赤字の状態と同等と考えられます。平成13年度〜19年度の7年間に平成17年度を除いて、この経常赤字の状態です。
その赤字はどう処理するのかといえば、おもに一般家庭の貯金にあたる財政調整基金を取り崩すことで凌ぐことになります。近隣の町で人口規模が近い越生町、滑川町とこの実質単年度収支の7年間の推移を比較してみました。
年度 | 鳩山町 | 越生町 | 滑川町 |
---|---|---|---|
H13 | -56,730 | 168,270 | -110,306 |
H14 | -111,106 | -51,048 | 96,387 |
H15 | -38,054 | 45,946 | 152,419 |
H16 | -141,447 | -69,989 | -57,387 |
H17 | 35,405 | -91,857 | -66,881 |
H18 | -80,218 | 14,098 | 114,044 |
H19 | -48,378 | 14,467 | 142,866 |
7年間の累積では、滑川町は3億弱の黒字、越生町も何とか黒字化しています。一方、鳩山町の7年間の累積は、実に4億4千52万8千円もの赤字になります。現在の鳩山町の財政状況は、借金の支払いに追われ、首が回らない状態でもないのに、歳出と歳入のバランスが取れず、経常赤字が続いていることなのです。
次号では、取り崩している財政調整基金、これは一般家庭でいうと貯金に当たりますが、どうなっているのでしょうか、取り上げてみます。