財政調整基金
鳩山町の財政難は、借金のしすぎにあるのではないことを示しました。では何が問題なのかといえば、鳩山町の財政は、歳入と歳出のバランスが取れておらず、財政調整基金を取り崩し続けていることなのです。
その財政調整基金とは、一般家庭の貯金に当たるものです。役割は大きく言って二つあります。一つは、突発的な災害や緊急を要する経費に備えるため。もう一つは、財政上余裕のある時は積み立て、財源不足時に取り崩すという、年度間の調整的な役割があります。その意味では、財政調整基金を必要な時に取り崩すこと自体には問題ありません。ただし、取り崩し続けていることが問題なのです。取り崩し続けていると、いつかは底をついてしまい、災害時など緊急に支出を要する場合に対応できません。
前回と同様、近隣の町で人口規模が近い越生町、滑川町とこの財政調整基金の7年間の推移を比較してみました。
年度 | 鳩山町 | 越生町 | 滑川町 |
---|---|---|---|
H13 | 699,923 | 380,572 | 326,903 |
H14 | 603,559 | 357,202 | 326,950 |
H15 | 509,684 | 363,964 | 386,985 |
H16 | 391,875 | 280,508 | 397,005 |
H17 | 391,948 | 203,605 | 397,015 |
H18 | 368,373 | 215,500 | 477,019 |
H19 | 368,343 | 258,616 | 567,110 |
増減 | -331,580 | -121,956 | 240,207 |
(増減はH13年度とH19年度の比較)
鳩山町の財政調整基金は平成13年度に約7億円あったものが一貫して減少し続け、平成19年度には、約3億7千万になっています。他の自治体との比較では、少なすぎるとまでは言えませんが、取り崩し続けている状況を変えなければ、いつかは底をついてしまうのです。