以前このコラムで、南比企窯跡群(みなみひきようせきぐん)を国の指定文化財とするための事業に、今年度から本格的に着手することを紹介いたしましたが、その一環として、泉井地内にある新沼窯跡(しんぬまかまあと)の第2次調査に取り組んでいます。
新沼窯跡は昭和34年に立正大学によって調査され、武蔵国分寺(むさしこくぶんじ) 所用の瓦を焼いた窯として学会では良く知られていました。今回の調査では、8世紀後半の短い間につくられた窯跡が合計20基も確認されました。窯跡は密に重なりあっており、今後さらに増加する可能性があります。
また、多数出土した瓦には武蔵国内(むさしのくにない)の郡名が記されたものが含まれており、それらの郡から鳩山が依頼を受け、瓦を生産していた事がわかります。出土品の中には、破片ながら鬼瓦や、瓦塔(がとう。)という塔の形をした須恵器もあります。
窯跡は保存という観点から、現時点ではその上面(うわつら)の確認で止めてあり、部分的に試掘を加えて年代や構造を把握する調査を行っています。現在は町の学術評価委員会での審議を経て、20基確認されている窯の中から代表的な1基をすべて掘り下げる調査を実施しています。実際に窯跡の掘り下げが完了し、窯の構造がつぶさに観察できる状態になったら、一般向けに現地公開を行う予定です。
この南比企窯跡群が国の指定文化財となれば、資料館等の建設のための補助金の交付が受けられます。
以前書いたように、窯跡や工房を見学できる施設や復元古代窯など、遺跡公園のように整備し、鳩山が全国に誇る文化財の有効活用を目指せればと思います。
国指定史跡化事業(平成23年 広報はとやま 11月号 掲載)
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- 2022年4月1日
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