熱帯夜
以前、このコラムの「年最高気温」という中で、近隣の気温の比較的高い地点と比べ、熱帯夜が少ないと指摘したことがあります。それは、その年だけでないようです。
まず、熱帯夜という言葉ですが、もとは気象エッセイスト・倉嶋厚氏による造語で、夜間の最低気温が25度以上の夜を指すようです。しかし、気象庁は熱帯夜ということについて定めていません。夜間が夕方何時から翌朝何時までなのか、はっきりしないのです。そのため、「熱帯夜」そのものの公式な統計がないのが現状です。
そこで、ここではその日の最低気温が25度以上の日として、調べてみました。調べたのは、県内に8か所あるアメダスと、埼玉県に近い東京都練馬区のアメダスデータです。県内8か所のアメダスは、さいたま市・越谷市・秩父市・熊谷市・所沢市・久喜市・寄居町・鳩山町にあります。また、調べた期間は、平成26年7月1日から8月15日までです。
この期間の熱帯夜の日数は、熊谷市、練馬区が9日、さいたま市が8日、越谷市が7日で、鳩山町は1日でした。鳩山町は、夜間は気温が下がりやすいようです。この期間の「日最低気温」の順位を調べてみますと、だいたい秩父市が一番低く、2、3位を寄居町と鳩山町が占めています。
日が高くなるにつれて、鳩山アメダスの気温はどんどん上がり、最終的に熊谷・越谷・鳩山で県内最高気温を争うという構図のようです。
鳩山町は、日中の暑さは大変厳しいですが、夜間は都市部と比べ、やや過ごしやすいといえます。