妊娠した女性が風しんにかかると胎児が風しんウイルスに感染し、難聴・心疾患・白内障そして精神や身体の発達の遅れなどの障害(先天性風しん症候群)を持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。妊娠1ヶ月では50%以上と言われています。
町では、妊婦を感染から守り、「先天性風しん症候群」の発生を予防するために、緊急対策として妊娠を予定または希望している方々等に対して、風しん予防ワクチン接種費用の一部を公費助成します。
風しんとは
風しんは1人の患者から免疫のない 5人から7人に感染する可能性がある、大変感染力が強い疾患です(インフルエンザでは 1人から2人)。特に成人が発症した場合は、高熱や発しんが長く続いたり、関節痛などを発症し、小児より重症化することがあります。
症状としては、風しんウイルスに感染してから14日から21日の潜伏期間の後、発熱とともに全身に淡い発疹が現れます。通常3日程度で消失し、麻しん(はしか)のように発しんのあとが長く残ることはありません。また、その他の症状としては耳の後ろや頚部、あるいは後頭下部のリンパ節が腫れるのも特徴の一つです。通常は数日で治癒しますが、稀に血小板減少性紫斑病や脳炎などの重篤な合併症を併発することがあります。
風しんは、風しんウイルスを含んだ飛まつ(咳やくしゃみ、会話、発語などで飛び散るしぶき)を吸い込むと感染します。発症予防には風しんのワクチン接種が極めて有効です。
風しんは子どもの病気と思われがちですが、近年では成人の間で風しんの感染が広がっているため、成人においても注意が必要です。
助成対象者
公費助成対象者は、鳩山町に住民登録があり、下記のいずれかに該当する方です。
- 19歳から49歳の女性のうち、妊娠を予定または希望している方
- 妊娠している女性の配偶者(夫)
対象ワクチン
風しんを予防するワクチンは、弱毒化したウイルスを培養させ、凍結乾燥した生ワクチンです。予防接種を受けると、95%以上が免疫を獲得することができます。体内に免疫ができると、風しんの感染を防ぐことができます。
助成対象になるワクチンは、次の2種類です。
- 風しん単抗原ワクチン
- 麻しん風しん混合ワクチン(MR)
助成する額
予防接種を受けて、医療機関でお支払いいただいた費用のうち3,000円を助成します。
(ただし、生活保護受給者は費用全額を助成。)
1人1回限りとします。
助成方法
接種費用の全額を医療機関にお支払後、次のものをお持ちになり町保健センターまで申請してください。その後、接種者の銀行口座等に助成金(3,000円)の振り込みをします。
- 鳩山町風しん予防接種費用助成金交付申請書兼請求書
- 予防接種を受けたことを証明する書類および領収書原本
- 母子健康手帳の写し(妊婦の夫のみ)
- 振込先の口座を確認できるもの
- 印鑑
※生活保護者については、受給者証も持参ください
- 鳩山町風しん予防接種費用助成金交付申請書兼請求書 [PDF形式/98.57KB]
予防接種を受けることができない方
- 明らかに発熱している方(37.5度を超える発熱)
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- 破傷風トキソノイドによりアナフィキラシーを起こしたことのある方
アナフィラキシー : 接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと。 - その他、かかりつけの医師に予防接種を受けないほうがいいといわれた方
予防接種ができるかどうかを医師に相談しなければならない方
該当する方は、接種することができるかどうか慎重な判断を必要とすることから、専門性の高い医師とよく相談してください。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する方
- 予防接種後2日以内に発熱した方、及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状をおこしたことがある方
- 過去にけいれんの既往のある方
- 過去に免疫不全の診断がされている方及び近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 接種する接種液の成分に対してアレルギーをおこすおそれのある方
接種後の注意
- 血管迷走神経反射として失神があらわれることもあるので、失神による転倒を防止するため接種後の移動には保護者等が腕を持つなどして付き添ってください。
血管迷走神経反射 : 極度の緊張状態や注射などの痛みにより、自律神経が刺激され、全身の血管床が拡張することにより脳血流が低下し、顔面蒼白、徐脈、血圧低下、失神といった反応が起こること。 - 接種後30分程度、体重を預けられるような場所に座って、立ち上がらず、状態を観察してください。
- 接種後は、接種部位を清潔に保ち、接種当日は過激な運動を避けるよう注意してください。
ワクチン接種による反応
- 通常みられる反応
ワクチンの種類によっても異なりますが、発熱、接種局所の発赤、腫脹(はれ)、硬結(しこり)、発疹などが比較的高い頻度(数%から数十%)で認められます。通常、数日以内に自然に治ります。 - 重い副反応
接種のあと、接種局所のひどい腫れ、高熱、ひきつけなどの症状が出た場合は、すぐに医師の診察を受けてください。その症状が予防接種後副反応報告基準に該当する場合は、医師から厚生労働省へ副反応の報告が行われます。 ワクチンの種類によっては、極めて稀(百万から数百万人に1人程度)に脳炎や神経障害などの重い副反応が生じることもあります。
風しんの予防接種による副作用は、発熱や発疹などが出る場合があります。成人女性の場合ですと、関節炎が起きる場合がありますが、数日から1週間程度で治ります。
詳しくは、国立感染症研究所「風しんQ&A」をご参照願います。
健康被害が起きた場合
この予防接種は、任意(希望者のみ)の予防接種のため、重大な健康被害が生じた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく補償になります。詳しくは、下記リンク先をご参照ください。
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