行政改革の方向性
「数字で語るはとやま」は、昨年4月号からの連載以来、主に財政分析を中心に行ってきましたが、今月は数字の紹介ではなく、今後の行政改革の方向性を述べさせていただきます。
この間のコラムで明らかにしたことは、
- 鳩山町の財政力は、決して低い方ではない
- 鳩山町の財政難は、借金のし過ぎではない
- 実質単年度収支の赤字が続いている
- 財政調整基金を取り崩し続けている
- 経常収支比率が高すぎる
- 公共投資に回す予算が極端に少ないこと
などです。
実質単年度収支の赤字は、一般企業の経常赤字に相当
財政調整基金は、一般家庭の貯金に相当
経常収支比率は、自治体のエンゲル係数といわれる
今後進める改革の目的は、まず財政調整基金を取り崩し続けている体質を変えることです。それだけではなく、インフラ整備事業や著しく高齢化が進む町の現状を踏まえ新たな福祉事業を可能とする財政上の余裕を生むことです。鳩山町の予算は経常経費にかかりすぎているので、経常経費の削減が必要ですが、これは大変な困難をともないます。
なぜなら、経常経費の多くは、町民の暮らしや福祉の分野にかかわる経費が主だからです。改革の進め方によっては、福祉切り捨てにつながる危険性があるのです。そうした中で、福祉を切り捨てることなく、財政再建を図るためには、より少ない職員数でやりくりし、現在の町民の暮らしや福祉の水準を維持しながら、経常経費を削減することが必要です。
幸いなことに、平成22年度当初予算(案)では、財政調整基金を取り崩すことなく編成することができました。平成22年度を財政再建の出発点にできればと考えます。