平井冨美さん逝く
先月、鳩山町の最高年齢者であった平井冨美さんがご逝去されました。103歳でした。平井さんとはじめてお会いしたのは、100歳の平成21年5月25日の誕生日にお祝いにお伺いした時です。耳がやや遠いほかは、至ってお元気でした。
その時拝見した書道や絵画の作品群には大変驚きました。書道を本格的にはじめたのは、70歳を過ぎてから、絵を描き始めたのは80 歳を過ぎてから、「鳩画会」に通い始めたのは、90歳近くからというから、なおさらです。
旅先に描きたい風景があると、手持ちの用紙にサッと鉛筆で簡単なスケッチをし、自宅に戻り風景を思い出しながら油絵や水彩画を描いていたとのこと。鳴門海峡の渦潮や飛行機の窓から見た風景などがそうした作品だそうです。
その場で思わず、「個展を開きませんか」と持ちかけてしまいました。突然の申し出に、ご本人とご家族の方も戸惑ったことでしょうが、幸い多世代活動交流センター2階の美術展示室が利用できたこともあり、その後トントン拍子で進みました。
鳩山町教育委員会主催で、「平井冨美100歳記念作品展」が、平成21年10月1日から31日まで開催されました。
展示された作品は、絵画22 点、書画15点など計40 点でした。新聞報道されたこともありたくさんの方々にご来場いただき、1 か月で1,476人が来場されました。
そのとき展示された作品のうち、80歳代後半に制作した「鯉の図」を町に寄贈していただき、現在、町長室に飾ってあります。
改めて、平井冨美さんのご冥福をお祈りいたします。